大判例

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東京高等裁判所 昭和37年(ツ)78号 判決

原判決が、本件建物部分の賃料には地代家賃統制令の適用があり、昭和三十三、四年当時その統制額は一ケ月金九百三十円であつたこと、然るに被上告人が昭和三十三年七月分(但し同月分の約定賃料中金二千五十円を受領済)より昭和三十四年六月分までの延滞賃料を一ケ月金一万円の割合で計算し、上告人に対し延滞賃料金十一万七千九百五十円の支払を催告したこと、従つて右催告額は統制賃料の十倍以上にあたる過大催告であると判示していることは所論の通りである。然しながら原審の確定したところによれば、右の一ケ月金一万円の賃料は、上告人が昭和三十二年五月三十一日被上告人より本件建物部分を賃借した当初より双方合意の上で定めた賃料であり、上告人は右賃借後間もなく同年八月分から既に右約定賃料の支払を遅滞しているが、被上告人は一部ずつでも賃料の支払を受領していた事実があり、

上告人が被上告人の催告に対し統制賃料額を提供したとすれば、被上告人においてその受領を拒絶したであろうと認むべき特段の事情は認められないと謂うのであつて、右のような事実関係の下にあつては被上告人のした前記の催告と雖も統制賃料額の限度においてはなお催告としての効力を有するものと解するのが相当である。

(梶村 室伏 安岡)

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